デジカメ解像度勝負(共同企画)

(2003年6月 初稿)
2003年9月 QV−R40とLUMIX−F1のサンプル追加
2004年9月4日 LUMIX−FX7のサンプル追加
2004年9月20日 LUMIX−FX7のサンプルを更に追加、記事修正
2005年4月 D2Xのサンプルを追加?
2008年8月 D300とD700のサンプルを追加


相互リンクいただいているアンタレスさんと、掲示板でデジカメの画像の
解像度についての話題になりました。
最近のデジカメはどんどん画素数が増えてきて、エントリー機でも300万
画素を超えるデジカメが普通になってきている訳ですが、ほんとに画素数
=解像度なんだろうか?というのが共通の疑問でした。

たまたま二人とも東京在住ということで活動範囲が重なっていたこともあって
お互いの所有デジカメで同じ素材を撮影し、そのサンプルデータで解像度を
比較してみようということになりました。

撮影場所は有楽町の国際フォーラム。
二人が別々の時間に同じ素材を撮影するという特殊なシチュエーションに
対応するため、天候に左右されない屋内でかつおおっぴらに撮影できる場所を
チョイスいただいたアンタレスさんの深謀遠慮に感謝です。

で、撮ってきました。
アンタレスさんとダブってるE950を除いた、手持ちの6機種で。
オープンスペースとはいえ、三脚据えていろんなデジカメでとっかえひっかえ
写してるんですから、明らかに不審人物です。
(前日に撮影に行かれたアンタレスさんの場合、警備員が寄ってきたそうです)

<画角はこんな感じ>

D100はレンズ性能の違いが影響するかどうか試したかったので、SIGMA
28−300とNikkorAF50mmF1.4の2本で撮影しましたが、明るさと近景
のボケ具合以外は変わりませんでしたので、AF50mmの方だけUPしておき
ます(なんせファイルサイズがでかいんで)
撮影は全てフルオートで、ズーム可能な機種は同じ立ち位置から似たような
画角になるようにズームを調整、パンフォーカス機はできるだけ似たような絵
になるように立ち位置を変えて撮影しました。
(SPYZは勘です(笑))

以下、アンタレスさんのも含めた機種別データです。
(ファイルサイズウルトラでかいのでご注意)


D700(28−300mmVC)(1210万画素) (2008年8月追加)

D300(28−300mmVC)(1230万画素) (2008年8月追加)

D2X(24−120mmVR)(1240万画素) (2005年4月追加)

D100(AF50mmF1.4)(600万画素)


LUMIX−FX7(500万画素) (2004年9月追加)

KD−410Z(400万画素)

QV−R40(400万画素) (2003年9月追加)

Xacti(310万画素)

LUMIX−F1(300万画素) (2003年9月追加)

D1H(266万画素)

PSP90IS(250万画素)

E950(200万画素)

EXLIM_M1(130万画素)


Che−ez!SPYZ(35万画素)


ZAURUS_MI−E25DC(31万画素)



細部の解像度の比較にはやはり文字がわかりやすかろうということで、アンタレス
さんの撮影分も含めて、案内所の文字付近のところを実寸で切り出してみました。
上から画素数の大きいもの順です。

<部分比較(実寸)>

D700(28−300VC)
(2008年8月追加)

D300(28−300VC)
(2008年8月追加)

D2X(24−120VR)
※案内所改装のため部分比較不可
(2005年4月追加)

D100(AF50mmF1.4)


LUMIX−FX7(AUTOでISO100)
(2004年9月20日追加)

LUMIX−FX7(ISO80固定)
(2004年9月20日追加)

LUMIX−FX7(曇天AUTOでISO400)
(2004年9月4日追加)

LUMIX−FX7(ISO100、手振れ補正OFF)
(2004年9月20日追加)

KD−410Z


QV−R40


Xacti


LUMIX−F1
 (2003年9月追加)

D1H


PSP90IS


E950


EXLIM_M1


Che−ez!SPYZ


ZAURUS_MI−E25DC(31万画素)



EXILIM以下は、小さすぎて何が書いてあんだか判読不明です。
じゃあ、拡大したら読めるのかってことで、上記のデータを横240ピクセルまで
(Lanczos方式)拡大してみました。

<部分比較(拡大)>

D700
(2008年8月追加)

D300
(2008年8月追加)

D2X
※D2X以降は案内所改装のため部分比較不可。壁面部分切り出し。
(2005年4月追加)

D100(AF50mmF1.4)


LUMIX−FX7(AUTOでISO100)
(2004年9月20日追加)

LUMIX−FX7(ISO80固定)
(2004年9月20日追加)

LUMIX−FX7(曇天AUTOでISO400)
(2004年9月4日追加)

LUMIX−FX7(ISO100、手振れ補正OFF)
(2004年9月20日追加)

KD−410Z


QV−R40
 (2003年9月追加)

Xacti


LUMIX−F1
(2003年9月追加)

D1H


PSP90IS


E950


EXLIM_M1


Che−ez!SPYZ


ZAURUS_MI−E25DC(31万画素)


当然、2度もJPEG圧縮入るので多少モアモア感出るのはしょうがないんですが
コンパクトデジカメは特にモアモア感が強いです。
サンプル下部の「Information」のアルファベットが読めるかどうかが目安になる
と思います。
D100が綺麗なのは600万画素というずば抜けた画素数の恩恵なので当然として
D1Hが画素数の割には解像感優秀なのが光ります。
E950も200万画素とは思えない優秀さだと思います。
PSP90ISは手ぶれ補正のおかげでかなり救われているものの、ノイズの多さは
否めません。
最悪なのがXactiで、ノイズ乗りまくりのザラザラ画像にはがっかりです。
上のサンプルでは加工の過程でノイズが緩和されてしまっていますが、元データ
みていただければ、偽色の乗り方が酷いのがわかっていただけると思います。
両者ともに暗いところには非常に弱い機種なので(PSP90ISは手ぶれ補正の
おかげでブレはすくないのですが)、このあたりの比較でも一眼レフ機の強さが
際立ちます。
KD−410Zもモアモア度が強いように感じますが、元データサイズみるとわかる
ように、画素数の割りに圧縮率が高いんで、JPEG特有のモアレが顕著に出て
しまっているのだと思います。
ノイズも少なく、もとの解像感は高そうなのでもったいないなあという感じです。
(モアレ具合は、上記データをツールで白黒データにしていただくとよくわかると
思います)
あ、やっぱりEXLIM以下は拡大しても判読不能でしたね(笑)。

余談ですが、なんだかんだ言ってアンタレスさんとは未だに面識がないという
のは、インターネットの不思議さを感じてなりません。
アンタレスさんのページでは更に詳細な分析がなされていますので、ぜひご覧
ください。

アンタレスさんの解像度比較のページへ


(2003年6月)
追加レポート

実はXactiって、壊れちゃったOptio430の代わりの常時携帯デジカメとして購入
した期待のホープだったのですが、今回の共同企画で画像の酷さが判明して
しまったので、怒り心頭。
悔しくて特別に追加調査を行いましたのでご参照ください。
一言:「画素ピッチの小さなデジカメを購入される方はご注意!!」

番外編<XactiのISO感度別比較>


(2003年9月)
更に追加レポート

Xactiの代替機として購入した期待のホープQV−R40だったのですが、ISO感度
オートだと、やはりゲインアップノイズで辛い状況になります。
1枚の絵としては、画素が多い分Xactiよりは随分マシに見えるんですが、細部に
こだわると、ノイジーさやモアモアさにあまり差がないことがわかります。
残念ながらQV−R40も小画素ピッチCCDによるノイズから逃れることはできなかった
ようです。
(一応擁護しておくとと、QV−R40はその超っ速の起動速度ゆえに、常時携帯デジカメ
としての価値は揺るがないものがあります。デジタルメモとしては最適...って、その
用途ならEXILIM+マクロレンズでもいいんですけどね)

うーーむ、この際300万画素くらいでいいので、大サイズCCDの高感度機を出して
くれないものでしょうか?ノイズ嫌いノイズ嫌い。

アンタレスさんからLUMIX−F1のサンプルもいただきましたので、掲載しておきます。
これがビーナスエンジンの威力でしょうか。
同じ300万画素機としてはXactiの立場無しです。
CCDの画素ピッチだけではなく、レンズ、画像処理エンジンまで含めた総合的な力が
デジカメの画像の美しさに繋がるということでしょうか。


(2004年9月4日)
1年ぶりに追加レポート

QV−R40はその高速起動でMy携帯機としてそれなりに活躍してくれたのですが、
常時携帯機としては少々嵩張るのと、しばしば発生する「シャッター切れない病」により
約一年でLUMIX−FX7にその座を譲ることになりました。
FX7はこのクラスの3倍光学ズームつき小型携帯機としてはたぶん初の手振れ補正
ジャイロ機構付きコンパクトデジカメです。
加えて画質には定評の有るヴィーナスエンジンIIを搭載、期待のニューフェイスだった
わけですが......。

うーーん、残念。やはりノイズの呪縛から逃れることはできませんでした。
国際フォーラムが曇天で条件は悪かったんですが、ISO感度オートだとISO400での
撮影となってしまい、このノイズです。
1/2.5インチ500万画素CCDですから、まあ決してノイズに強いとは思ってなかった
んですが、これはちと期待はずれ。

しかーし、FX7には手振れ補正という強い味方がついているのでした。
ISO感度を80に固定してのサンプルはノイズも少なく、かなりクリアな絵になっています。

無論、この解像度比較のサンプルは公平を期すために全てAUTOで撮影しているので、
ISO80固定のサンプルは「反則」なんですが、手振れ補正機構を搭載しているFX7に
おいては、「ノイズ嫌ならISO80固定」っていう使い方もありみたいです。
レンズやCCDの基本性能はたぶんそれなりなんですが、手振れ補正の恩恵で低感度
撮影の可能範囲が広がり、結果的にノイズ削減、解像度向上に繋がっています。
手振れ補正機能は携帯機においてもすばらしい効果を見せることがこの結果からも
窺えます。


(2004年9月20日)
前回のFX7のサンプルがあまりに酷かったので、再度国際フォーラムに行って撮り
直してきました。
(またもやイベントで人多すぎて難儀しましたが)
アンタレスさんから「ISO80のサンプルはフラッシュ焚いてしまっている。ピントが外れ
ているかもしれないので、ピントは無限大にして撮影。」とのアドバイスをいただいた
ので、早速実践です。
幸い天気も良くて光量充分な国際フォーラムはAUTOでもISO100で撮影できました。
おかげで結果は上々です。
見違えるように綺麗な画像を得ることができました。
パナソニックの肩持つわけじゃないですが、どっちかというと今回のサンプルのほうが
正しい評価だと思いますのでサンプル差替えます。

ついでに手振れ補正OFFにするとどうなるか試してみましたので、そちらのサンプルも
載せておきます。
今回全てのサンプルは手持ち撮影したのですが、ISO80サンプルは手振れ補正で救い
きれずに、微妙に手振れを起こしています。比較して、手振れ補正の効いたAUTOの
ISO100サンプルの方はとてもかっちりと解像した絵になっています。
なにより驚きは案内所の文字の細さ。
これってなんか他のデジカメのサンプルと一線を画しています
ちなみに同条件でISO100固定手振れ補正OFFで手持ち撮影すると、みごとに手振れ
を起こしました。
FX7の手振れ補正の威力を示してくれるサンプルだといえます。

サンプルを撮りなおしたことで、FX7に対する評価はかなりUPしました。
手振れ補正を活用したISO感度固定で高解像感低ノイズ画像を獲得できる、コンパクト
デジカメとして安心してお勧めできるんじゃないでしょうか。

尚、今回の一連のサンプル撮影を通して、デジタル一眼の大サイズCCDの底力を改めて
思い知りました。
コンパクトデジカメだと一気に画像が崩れてしまう曇天や暗い室内でも、粘り強く破綻しない
画像を得ることができるのは、さすがだと思います。
ほんとにノイズ嫌いなら、いつもD100を持ち歩いてればよいわけですな。
重いけど....。


(2005年4月)
先日ようやく入手したD2Xのサンプル撮影に国際フォーラムを訪れた私は唖然としました。
「あ、案内所が変わってる...」




このカラフルな案内所の外壁は何でしょうか?
しかも解像度比較対象に使っていた看板文字がきれいさっぱりなくなってます。
がびーーん!!
というわけで、後はアンタレスさんの比較ページにお任せしたいと思います。
アンタレスさん、よろしくっ!
アンタレスさんの解像度比較のページへ

・・・と、部分比較は不可能だったわけですが、今回のサンプルは案内所の件を
除いても失敗です。
フルサイズのデータ見ていただくとわかるんですが(こんなバカでかいファイルサイズ
の見る人いるのか?)なんともモアモアではっきりしない画像は、なんじゃこりゃって
感じです。
失敗その1は、せっかく晴天だったのに撮影時間が遅くなってしまい、国際フォーラム
が影になってしまったこと。
失敗その2は、暗いフォーラム内なのにAF50mmF1.4レンズを忘れて24−120VR
(撮影画角でF4.8)という暗いレンズを使ってしまったこと。
この2点です。
いろいろ触ってみているのですが、D2Xの設定はかなりシビアで、撮影条件によって
ビシバシ設定をいじらないと「お任せ」ではなかなかまともな画像になりません。
また、1240万画素ともなるとちょっとしたブレが俄然目立ってしまうので、細心の注意が
必要です。
さすがにこの画素にAPS−CサイズCCDはやはりかなり無理があるのか、暗さにも少々
弱いとみました。(ノイズこそかなり抑えてはいますが)
解像度比較というよりD2Xのテストみたいな趣になってしまいましたが、レンズも腕も
相応のものを求められるこのデジカメ、使いこなすにはかなり時間がかかりそうです。


(2008年8月)
フルサイズイメージセンサー搭載機NikonD700購入に伴い、実に3年ぶりに解像度比較です。
画素ピッチの大きなフルサイズ機は解像感という意味では圧倒的に有利なはずですが...。
やはり、全然レベルの違う解像感です。色の境目まではっきりくっきり。
案内所の文字がなくなって比較が出来ないのがつくづく残念です。

世代的には比較的似通った仕様のはずのD300ですが、残念ながらいまいち振るいません。
画素数も同じでイメージセンサーも同じDXフォーマットのD300とD2Xはよく似た画像になってます。
ただ、これ、オリジナルを見れば一目瞭然ですが、実はD2XもD300も手持ち撮影なのでブレちゃって
るので、そこは考慮してあげないとかわいそうです。
三脚据えてじっくり撮れば、綺麗に撮れる筈。


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