巨大豪華客船を観に行こう (クインメリー2初寄航)


撮影:D700、IXY DIGITAL 900IS


2009年3月6日、イギリス船籍の豪華客船、クインメリー2(QM2)が横浜港に入港しました。
2004年の処女航海から5年目にして初の日本寄港です。
船好きの私としてはこれは見逃す訳に行かないと、休暇をとって横浜港に出掛けたのでした。

初代クインメリー号は戦前生まれで、英キュナードラインの二枚看板として初代クインエリザベス号と共に大西洋航路の花形客船でした。
クインメリー2は、戦後長くキュナードのフラッグシップを努めたクインエリザベス2世号の後継船としてフランス、アトランティーク造船所で建造されました。
総トン数は149,000トン、排水量76,000トン、全長345m、乗員乗客3,800名、2006年5月にロイヤル・カリビアン・インターナショナルのフリーダム・オブ・シーズに抜かれるまでは世界最大の客船でした。
最新の建船技術を盛り込んだ意欲的な設計で、船首はバルバスバウ(戦艦大和で有名ですね)方式、推進器は4機ありそのうち2機は360度回転が可能、船首スラスターと併せて、ジェット水流の調整により巨体をその場で自力旋回可能という優れものです。
大きさでこそフリーダム級に及びませんが、上記推進方式に加え157,000馬力の強力なガスタービンエンジンと堅牢な船体で大洋を30ノットの快速で突っ走る誇り高き外洋航船、あんなお池(カリブ海)でちゃぷちゃぷのレジャーボートとは格が違います。

通常、横浜港に大型客船が寄港した際には大桟橋に停泊します。前回レポートしたサファイアプリンセスも大桟橋に係留してました。
ところが、クインメリー2はでかすぎてベイブリッジが潜れない(QM2の喫水線からの最大高62m、ベイブリッジ下層道路部の海面からの高さ55m)というとんでもない理由で大黒埠頭に停泊することになりました。
<車運ぶ船じゃありません>
停泊している埠頭は普段は貨物の船積みを行っている場所なので、ご覧の通り輸出用の自動車なんかが並んでいて殺風景です。
<見学会場>
通常時は一般者立ち入り禁止区域で本日だけ特別に解放しているようです。
ただ、横浜市としてもクインメリー2の入港は重要イベントらしく、シャトルバスを運行させたりしてました。
(私は知らないでタクシーで行っちゃいましたが)

遠目にも目立つ赤い大きな煙突目指して近づいて行くと、クインメリー2がその偉容を現しました。

で、でかい。場所柄周りに比較するものが少ないので写真ではあまり実感できないと思いますが、15万トンの巨体は間近に見ると圧倒的です。
船体が黒いせいかその姿は豪華客船としては優雅というより重厚とか精悍といった感じが強いです。
テロを警戒してでしょう、埠頭は厳戒態勢で警官が岸壁を固め残念ながら船体にはあまり近づくことができません。
雨のせいか船上には人影もほとんど見えず静まり返っています。
対照的に埠頭には見物客が嵐の中にもかかわらず大挙して押しかけてきています。これで天気が晴れてたら埠頭に近づくのも困難だったんじゃないでしょうか。
浜っこって本当に船好きだなぁ。

以下、多くを語るよりその雄姿を写真でご覧ください。
<女王をお迎えするにはなんとも殺風景>
<キュナードロゴ>
<ブリッヂ>
<日章旗も揚げてくれてました>
<船首旗>
<ブリッヂ後方から>
<船体後方と前方を広角で>
<手を振る船客>
<上陸専用艇。でかすぎて停泊できない港が多いため>
<こっちは救命艇。中央はたぶんホバークラフト>
<大煙突>

さて、ここまでの写真、何故に前方からのアングルのしかないか疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。
そのわけは、
<これより一般人立ち入り禁止>
実は船体中央より後方には一般人立ち入り禁止だったのでした。
横浜住民は抽選で船内見学もできたらしいんですが、少なくとも私の見ている間に乗り込んだ一般人はいなかったので
本当に選ばれた人たちだけがあのタラップを渡ったんだろうなぁ。
<(たぶん)セレブな船客&船員>


<バス待ちの列>
当日は「」と呼んで差し支えないほどの風雨で、撮影条件としては最悪。
傘も吹っ飛ばす勢い(実際傘の骨がひっくり返って壊れました)の強風と雨の中の撮影でした。
カメラも当然びしょ濡れでコンデジならまず浸水故障間違いなしの状況でしたが、さすがにデジ眼はタフです。
(いや、無論、帰宅後自分より衣服より真っ先にドライヤーかけまくりましたが)

その後、いきつけの洋食屋、海南亭にてステーキセットに舌鼓を打ち帰路に就きました。
<美味いんだこれが>


いつかはあんな船でゆっくりと世界を旅してみたいものです。
あー夢だなぁ〜。

(2009年3月)


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