PowerShotPro90レポート その2



PSP90購入から約1ヶ月経ちました。
それなりに使い込んではみましたが、いかんせんデカくて重いのでいきおい持ち歩くのは休日のみとなります。
勢い込んで撮影に出かけたら雨降りだったりしていまいち撮影機会に恵まれていないのですが、それなりにPSP90のいいところも悪いところも見えてきました。
今回はそのへんをレポートしてみたいと思います。

<いまいちなところ>
・ズーミングの間がいまいち
PSP90のズーミングはレンズ口部分の普通のカメラならフォーカスリングにあたる部分を回して行います。
このズームの反応がどうにも間が悪い。
単純にレンズの動きが遅いというわけじゃなくて、回してからズーミングされるまでのタイミングが悪いのです。
せっかくの10倍ズームなのに思ったところでフォーカスできなくて、いらいらすることがままあります(特に動く被写体の場合)

・デカすぎ
これは吃驚ズームと引き換えなのでしょうがないのですが、とにかくデカイ。
日常持ち歩く気には絶対なれません。というか持ち歩いていると変です。
ただ適度な重さとこの大きさがホールド感を高めているのも確かで、これは贅沢と言う奴でしょう。

・ビューファインダーの視認性がいまいち
特に暗いところの撮影で顕著なのですが、ビューファインダーの視認性が今ひとつよくないです。
高倍率ズームに対応するための電子式(液晶)ビューファインダーゆえにしょうがないとも思うのですが、ピントがちゃんと合ってるのかどうか判断しづらいです。
使い込んでるうちに慣れてはきましたが、もう少し見やすくできなかったんでしょうか?
なまじバリアングル液晶モニターの出来がよいので、よけいに比較してしまいます。
ついでに言うと、PSP90はホールド感が良いのでついつい光学カメラっぽくビューファインダーを覗いてしまうのでした。

・低画素撮影がいまいち
高画素での撮影では実にシャープな画像をゲットしてくれるPSP90ですが、なぜかVGA(640*480ピクセル)等ではいまいちな画像を残すことがあります。
ある条件が重なったときに起こるようなのですが、直線がうねうね状態に撮影されてしまいます。
とくに斜めの直線にこの事象が起こりやすいようです。
大容量コンパクトフラッシュが出てきたとはいえ、まだまだ容量節約のためにHP用の画像などは低画素での記録は多用します。
これなんかはエンジンのバージョンアップでなんとかなりそうな気がするので、Nikonみたいにファームウェアバージョンアップで対応してほしいと思います。


<グレートなところ>
・とにかく光学10倍ズームが凄い
これは速報のときからお伝えしていますが、未だに驚きは冷めていません。
とにかく「望遠鏡」なのです。
試しにIXYDIGITAL300の光学3倍ズームと比較してみるとこのとおり。

IXYDIGITAL300ワイド側
IXYDIGITAL300テレ側(光学3倍ズーム)

PSP90ワイド側
PSP90テレ側(光学10倍ズーム)
何度でも言います。凄ぇ。

・手ぶれ補正がグレート
そしてその光学10倍ズームを支える驚異の技術が自動手ぶれ補正機能。
これのあるとないではズーム時の画像のシャープさがまるで違ってきます。
ごく短時間のうちに進入してくる被写体の光の角度を感じ取ってレンズの傾きを補正しているらしいのですが、ちょっと考えただけでもとんでもない技術だと思います。
とにかく明るいところではまずぶれないので、こんな写真も簡単に撮れてしまいます。
噴水(テレ側)

・バリアングル液晶ディスプレイは便利
E950の回転式ボディよりもさらに多彩なアングルでの撮影を可能にしたバリアングル液晶モニターは視認性も高くてめちゃめちゃ便利です。

使用しないときは裏返して本体にはめ込めるのもグッド。

・本格感が心地良い
私はけっこうデジカメに高級感と言うか質感を求めるのですが、PSP90の質感は合格です。
ぱっと見SFちっくで変な本体なのですが、細部まで造りがしっかりしていて安っぽいところがないのが良いです。
必要に応じてパカッと開く内蔵フラッシュや、撮影時の電子シャッター音などのギミックも本格的っぽくて嬉しい気分にさせてくれます。
あとオプションになりますが、けっこういけてる専用ソフトケースが販売されています。
これまたなかなか保護感も強くて本格的なのでした。

とにかくこの高倍率ズームは一度味わうと止められません。
ほかの欠点を全て補って余りある、素晴らしいデキだと思います。
一点強化型のこの機体は、まさにズーム撮影に特化したスナイパーカスタム機と呼んでよいでしょう。

2001年6月


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