COOLPIX950使用レポート

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99年5月始め、待ちに待ったNikonのCOOLPIX950(E950)がようやく手に入りました。
COOLPIX900の色合いが気に入っていたので、「Nikonが200万画素機を出すぞ〜」と聞いてから
ずっと狙っていたデジカメでした。
しかし、なにしろ注文して一ヶ月待っても手に入らなかったほどの極端な品薄状態。
とにかくどこにもないんです。
ゴールデンウィーク前になんとしても入手したかった私は、パソコンショップを片っ端から探しまくりましが
すべて入荷待ち。
そんな時、「カメラ屋ルートの方が流通してるらしい」という情報を聞いた私は方針転換、カメラ屋さんを
あたりまくり、ようやく購入することができたのでした。
貴重品を回してくれた柏ジャンボ水戸店さん、ありがとうございました。


さて、そうして手に入れたE950を片手に、さっそく気まぐれ撮影旅行に出かけてきました。
撮った写真はいずれ写真館に置きますのでそっちをご覧いただくとして、3日間で感じた凄いところと
凄くないところについてレポートしてみたいと思います。
前の機種がCOOLPIX900だったので、使用感はE900との比較になります。


<凄いところ>

○その1「起動速度が凄い」
電源オフの状態から撮影スタンバイまで2〜3秒。
これはE900と比べると1/3の時間です。
電池の消耗を防ぐために一定時間経つとパワーオフされるんですが、そこからの復帰も2秒程度。
「シャッターチャンスを逃さない」程ではありませんが、イライラ感はほぼ解消されました。
付け加えると、「一定時間経つとパワーオフ」の時間設定も30秒〜30分の間で選べるようになった
ので、E900みたいに「肝心のときに電源が落ちてる〜」ってこともなくなりました。


○その2「連写が凄い」
撮影間隔は1600×1200ピクセルのFINEモードで7秒、VGAのFINEモードなら2秒で次の撮影に
移れます。
ただこれはE900はもちっと速かった(1280×960ピクセルのSXGAモードで6秒、VGAなら1秒)
ので、ここが凄いわけじゃない。200万画素にしては頑張ってるなあってところ
凄いのは連写モード。通常連写で1600×1200ピクセルFINEモードで5枚まで連写。
(撮影間隔は2秒程度)
高速連写モードを試してみたら、VGA(NORMAL)モード固定ながら2枚/1秒のスピードで55枚も
いっきに撮影できてしまいました。
(無論その後メディアに書きこむ時間は待ちになりますが)
更に16分割連写モードまであるわけで、動きのある被写体に対しては威力発揮間違いなし。
大容量バッファメモリの恩恵ですね。


○その3「接写が凄い」
マクロモードではなんと2cmまでの接写が可能です。2cmですよ。
E900は20cmまでしか近づけませんでしたから、これは凄い。
例えばこんな感じで小さな被写体にも大接近できてしまうのでした。
解像度UPとも併せて、これまでの「とりあえず近づいて写せる」から「ミクロの世界へようこそ」
という次元に到ってる..というとちとオーバーかな。


○その4「再生も速い」
PLAY(再生)モードの画像表示も速いです。
VGA程度の画像ならパッパツと切り替えて表示
最高画質などのピクセルの大きな画像は、最初に「もあっ」とぼけた画像を表示してからシャープな
画像を表示という2段階方式でイライラを緩和しています。


○その5「レンズキャップが付いた」
今回レンズキャップが付きました。これです
E900時代からレンズカバーのガラスがむきだしでなんとなく傷がつきそうでイヤだったんですが
これで多少安心です。
FinePixみたいに電源と連動してるわけじゃないですがね。


○その6「筐体がカッコイイ」
E900のアルミのお弁当箱みたいなボディに比べて、随分カメラっぽくなりました。
ブラックカラーでなんとなく強そう(?)でカッコイイと思います。
サイズも一回りコンパクトになりました。
E900v.sE950



<凄くないところ>

○その1「モード切り替えが凄くない」
E900はシャッター横にセレクトダイアルというものがついていて、これで撮影モード、再生モードの
切り替えを行いました。(OFF、A−REC(自動撮影)、M−REC(設定撮影)、PLAY(再生))
今回E950ではそれに加えてコマンドダイアルというものが付いて、各種モードの切り替えは主にこの
ダイアルで行います。(E950のダイヤルまわり
ところがこの使い勝手がいまいちです。
まず付いてる場所がシャッターボタンのすぐ下なんですが、これが回しづらい。
コマンドダイアルはそれ単体でグルグル回しただけじゃ働かなくて、本体のいろんな所についている
他の機能ボタン(小さい!)を押しながら回さないとダメ。
私の手が小さいせいかもしれませんが、モード切り替えの度にこの回しづらいダイアルと格闘するのは
けっこう苦痛でした。
また私の場合、お気楽に撮る場合はVGAモード、気合の入ったショットは最高画質で撮ると決めてる
んで、けっこう頻繁に記録サイズや画質の切り替えを行います。
E900の時はM−RECモードで撮影サイズと画質も記憶させておけたので、切り替えはセレクトダイ
アルをA−RECからM−RECにするだけでワンタッチでできました。
(A−RECは自動的に最高画質での撮影になるので、M−RECでVGAモードにして記憶させてた)
ところがE950では記録サイズと画質の切り替えは随時コマンドダイアルで行うため、M−RECモード
でも記憶してくれません。
ホワイトバランスや露出や連写の設定等、他の項目はほとんど記憶してくれるだけにこれは残念。
さすがに2メガピクセルともなるとすべてのショットを最高画質で撮るわけにもいかない(※)わけで、
ファイル容量節約のためにもVGAサイズ撮影との切り替えはますます増えるでしょう。
私にとっては痛い変更点でした。

※最高画質1600×1200ピクセルFINEモードでは撮影画像のファイルサイズは平均700KB程度
です。標準で付いてくる8MBコンパクトフラッシュには10枚くらいしか記録できません。
大容量コンパクトフラッシュカード(64MBまで出てます)購入は必須ですよ。


○その2「液晶画面が凄くない」
これはよく雑誌なんかでも言われてますが、TFT液晶画面が白昼野外では見づらいです。
かといって反射型液晶じゃ暗いところだと綺麗に見えないし....
まあ、景色程度ならファインダー撮影でも大きくはブレないんで大きな問題じゃないですがね。


○その3「ハングる」
これは問題だと思いますよ。
なにしろ3日間で5回もハングアップしちゃったんですから。
現象を説明すると、突然操作に反応しなくなってどのボタンも受け付けなくなります。
モードを切り替えても電源OFFにしてもダメ。
一度こうなってしまうと電池を抜き差しするしか手がありません。
これが撮影中だろうが再生中だろうが何の前触れも無く起こるので怖い。
なんとなくセレクトダイアルを中途半端にカチャカチャやったりすると起こるような気もするんだけども
一度などただPALYモードで画像を見ていただけでハングっちゃったからなあ。
いまのところ撮影した画像を消されたなんてことにはなってませんが、なんだかイヤな現象です。


○その4「ズーム最大で起動する」
なにをとち狂ってこんな設定にしたのか知りませんが、モードに関わらず撮影起動時のレンズはズーム
最大になってます。
だいたい写真を写すときって、自分の目で見えてる景色(モノ)を目に見えてる様に撮ることが多いじゃ
ないですか。スナップ写真なんかは特に。
「ハッ」と思って「パッ」と撮ろうとしたときに(E950は起動が速くなったのでそれに近いことができる)
ズーム最大になってたら意外と困る事が多いんですよね。
こう撮ろうと思って起動して液晶覗くと→こうなってる)
そこからワイド側に戻すのもけっこう時間掛かるし。
これってファームウェアの改良でなんとかなると思うんで、Nikonさんに改良お願いしたいです。


○その5「コンパクトフラッシュ挿入口が凄くない」
いたるところに高級感漂うE950ですが、コンパクトフラッシュの差し口だけはいただけません。
全身マグネシウム合金ボディのくせに、そこだけペラペラのプラスチックでなんかすぐダメになりそうな
雰囲気。
そういえばE900もなぜかCF挿入口はプラスチック(しかも構造的にすぐ壊れそう)でしたね。
E900v.sE950CF挿入口対決


○その6「レンズキャップが付いたけど」
「凄い」方に書きましたが、レンズキャップが付きました。
それ自体はありがたいのですが、ところがここで思わぬ弊害が発生。
実はE950はレンズキャップしたまんまでもシャッター押せてしまうんです。
もちろん液晶モニターで確認してれば(真っ暗なんで)わかるんですが、なまじ光学ファインダーの
視認性が良いもんでモニターを使わないことも多く、撮ってみたらキャップ付けっぱなしだったなんて
事がたびたびありました。撮影画像はもちろん真っ暗け。
キャップはめたままだと撮影モードに入れないとかなんとかできなかったんでしょうか?
あと、手で開け閉めするキャップなんで撮影時にはカメラから外れてしまうことになって、なんだかすぐ
紛失してしまいそうです。
レンズキャップには一応ヒモなんかを通すための穴が開いてるんですが、ヒモは付いてきません。
説明書には「ひも等を通してストラップに結んでおくと便利です(ひもは付属していません)」と書いて
ありますが、ヒモくらい付けてほしかったなあ。
ついでに「ヒモ」って意外と売ってなかったことも付記しておきます。
(少なくともスーパー、コンビニでは売ってなかった。洗濯ロープじゃ通らないし)

(99年6月12日追記)
本件に関して大阪府の中谷さんからメールを頂戴しました。
「私は紐には携帯電話のストラップで代用しています。 なかなかかっこいいですよ。 」
というもので、早速試してみました。
コレが実に良いです。
まず、これならレンズキャップの紛失はありません。
更にストラップの絶妙な長さが、撮影時のレンズ部回転の際に微妙に邪魔になるので、キャップを
はめたままの撮影をも防止してくれます。
グッドアイデアをくださった中谷さん、ありがとうございました。
皆さんもぜひお試しください。


○おまけ「ケースが凄くない」
カメラの筐体じゃなくて、それを入れるカメラケースのことです。
おまけなんで文句は言えませんが、E900の方がなんか高級感がありました。
E900v.sE950ケース対決
まあこれは好みの問題でしょうが。
あ、腰ベルトに差せるようになったのはナイスな変更ですよ。



ってわけでレポート終わり。
いろいろ書きましたが、全体的な感想は「手に入れて良かった」です。
とにかく画質の美しいのと起動の速いのには感動!!
Nikonももうちっと気合入れて生産してれば、販売ランクでC−2000ZOOMなんぞに水をあけられたり
しないと思うんですがねえ。

1999年5月5日  館長



<追加レポート>

COOLPIX950、SUPER TELE ADを装着」(2002年6月16日)へ

334万画素の凄い奴、COOLPIX990」(2000年6月11日)へ

MICRODRIVE使用レポート」(2000年2月13日)へ

COOLPIX950、再びファームウェアアップデート」(1999年12月7日)へ

COOLPIX950、テレコンレンズ装着」(1999年8月1日)へ

COOLPIX950、ファームウェアアップデート」(1999年7月17日)へ

COOLPIX950、暗いところの撮影に挑戦」(1999年6月15日)へ

COOLPIX950で96MBコンパクトフラッシュは使えるのか?」(1999年6月10日)へ

<関連サイト>

COOLPIX950ファームウェアアップデートプログラムのダウンロード(V1.3)」(Nikonのサイト)



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